頻度 割合みる
治療のポイント
・高エネルギー外傷では致命的になるため超急性期に輸血・止血・固定の実施が大切である.
・骨盤輪骨折は骨盤安定性を診断し治療方針を決定する.
・不安定型・転位の大きな骨盤輪骨折は観血治療を急性期に考慮する.
以下,特に骨盤輪骨折について記載する.
◆病態と診断
A病態
・高エネルギー外傷では多発外傷を合併することも多く,大量出血が死亡原因となる.
・高齢化に伴い低エネルギー外傷で受傷する脆弱性骨盤輪骨折(FFP:fragility fractures of the pelvic ring)が増えてきている.
・骨盤後方構成体の破綻度合いによって不安定性(重症度)が決定される.
・腸骨部が,内旋し骨盤容積が減じる側方圧迫型,外旋し骨盤容積が増加する前後圧迫型(オープンブック),垂直方向に転位する垂直剪断型に分けられる.
・骨盤容積の増加により内出血量が増加するため,側方圧迫型より前後