今日の診療
治療指針

二次救命処置(ALS) [■心肺蘇生・循環系の緊急処置]
☆☆
advanced life support(ALS)
伊関 憲
(福島県立医科大学主任教授・救急医療学)

GLJRC蘇生ガイドライン2020

ニュートピックス

・2022年3月,日本救急医療財団による「救急蘇生法の指針2020(医療従事者用)」が出版された.

治療のポイント

・蘇生の鍵となるのは,一次救命処置から連続した質の高いCPRである.

・ALSは複数名による蘇生チームによって行うため,メンバーは役割分担や薬剤投与などをリーダーの指示に基づいて行う.日常からの訓練が必要である.

・CCFとは,蘇生時間のうち胸骨圧迫を行う時間の割合である.CCFが高いほど蘇生率は高くなるため,ALSではCCFをできるだけ高くすることが推奨される.

・呼気CO2 モニターを用いて,挿管チューブの位置の確認,胸骨圧迫の質の管理,心拍再開の確認を行う.

◆病態と診断

A病態

・心停止の原因は,心原性と非心原性に分けられる.心原性には急性心筋梗塞,心不全,致死的不整脈などが含まれる.また,非心原性には急性脳卒中,外傷,中毒などがある.

・蘇生は自己心拍再開(ROSC:return of spontaneous circulation)を目標とするのではなく,脳蘇生も含めたROSC後の治療まで含まれる.

B診断

・BLSで行われる呼吸と脈拍の確認で心停止と判断したならば,心肺蘇生法(CPR:cardiopulmonary resuscitation)が行われる〔,「一次救命処置(BLS)―成人」の項参照〕.その後,AED(automated external defibrillator)もしくはマニュアル式除細動器を用いて電気ショックの有無を判断する.

・心停止では心電図波形により,心室細動(Vf:ventricular fibrillation),無脈性心室頻拍(pVT:pulseless ventricular tachycardia),無脈性電気的活動(PEA:pulseless electrical activity

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?