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機械的人工呼吸法 [■呼吸系の緊急処置]
☆☆
mechanical ventilation
椎野泰和
(川崎医科大学教授・救急医学)

治療のポイント

・機械的人工呼吸は,患者の呼吸を補助することを目的として使用され,患者自身の呼吸では恒常性が維持できない状態が対象となる.疾患により適応は細分化されているが,低酸素血症,高二酸化炭素血症,あるいはそのリスクが高い患者が基本的な適応となる.また,ガス交換としての呼吸には異常がない場合であっても,意識障害などにより気道の問題がある場合にも適応となりうる.

・機械的人工呼吸には,気管挿管を基本とする侵襲的陽圧換気とマスクなどの手段による非侵襲的陽圧換気がある.

A目的

 機械的人工呼吸により,酸素化の改善,換気の維持,呼吸仕事量の軽減を得ることができる.気管挿管を併用することで,気道の確保および誤嚥の防止も可能である.

B侵襲的陽圧換気

1.人工呼吸モード

 機械的人工呼吸のモードは強制換気と補助換気に大別され,代表的なモードとしてA/C(Assist/Control:補助換気/調整換気),C

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