◆病態と診断
A病態
・四肢の筋肉は強靭な筋膜や骨間膜,骨で区切られた区画内に存在する.外傷などを契機に区画内の圧が上昇し,筋や神経,血管が圧迫されることにより障害を生じるのがコンパートメント症候群である.
・外傷による骨折・血管損傷・筋損傷に伴う出血や,外的要因による長時間の局所圧迫(不適切なギプスなど)により生じる.また,阻血後の再灌流で起こってくる血管の透過性亢進による浮腫も原因となる.
・内圧の上昇により区画内の組織の灌流が阻害されると結果として浮腫を引き起こし,さらに区画内圧を上昇させるため,負の連鎖が起こる.
・神経や血管が圧迫されると神経障害や血流障害をきたすが,これが長時間に及ぶと,不可逆性の変化を生じるため早急な対応が必要である.
・筋膜を切開し,内圧の高くなった筋区画を開放するのが減張切開(筋膜切開)である.
B診断
・5つのP,疼痛(pain),知覚鈍麻(paresthesia),蒼