ニュートピックス
・外傷によるショックの原因として最も一般的な出血性ショックの原因となる胸腹部の出血源と心タンポナーデの有無を検索するためのfocused assessment with sonography for trauma(FAST)に加えて,気胸の存在について評価するのがextended FAST(EFAST)であり,外傷初期診療におけるprimary surveyで実施する必要がある.
治療のポイント
・循環動態が不安定なためCT撮影室への移動にリスクがある場合や,放射線被曝が好ましくない患者を対象として実施する.
・担当医自身がベッドサイドで迅速に,かつ約30分おきに繰り返し検査を実施する.
・定性検査での診断となるため,使用する超音波診断装置の種類は問わない.
◆病態と診断
A病態
・EFASTにおいて評価の対象となる病態は,心タンポナーデ,胸腔内・腹腔内出血,外傷性気胸である
1)心嚢腔: