ポイント
・骨髄路は迅速に確保できるため重要性が高い.
・緊急に輸液路確保が必要だが,末梢静脈路確保が困難な場合にはすみやかに実施できるよう,器材を準備しておくとともに手技を会得しておく.
・起こりうる合併症を理解しておく.
A適用と禁忌
適用は,心肺停止,外傷,ショックなどの危機的状況であるが迅速な末梢静脈路確保が困難な場合.絶対禁忌はない.骨髄輸液路は,一般的に中心静脈へ投与する薬剤であればすべて投与可能である.
B準備
清潔操作を基本とする.滅菌手袋,消毒薬,骨髄輸液針または骨髄穿刺針,輸液路を連結するエクステンションチューブ,シリンジ,生理食塩液(20mL),意識がある場合には局所麻酔薬を準備する.
専用の骨髄内輸液針には電動式(EZ-IO骨髄穿刺システム,Teleflex),ばね式(BIG-A15G骨内医薬品注入キット,日本光電)のほか骨髄採取針(イリノイ骨髄穿刺針,BD)も使用できる.