今日の診療
治療指針

オリプダーゼ アルファ


特 徴

 遺伝子組換え酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症治療薬.

 本剤は,小児および成人の酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD:acid sphingomyelinase deficiency)患者における中枢神経系以外の症状に対する酵素補充療法を目的とした遺伝子組換えヒト酸性スフィンゴミエリナーゼである.本症患者では,ASMをコードする遺伝子であるスフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ1(SMPD1)の変異により活性が低下したASMが発現し,スフィンゴミエリン(SPM:sphingomyelin)代謝に関連したさまざまな障害が発現する.ASMは,SPMのセラミドおよびホスホコリンへの加水分解を触媒するため,ASM活性の低下により,主に脾臓,肝臓,肺,骨髄およびリンパ節といった細網内皮系組織に存在する単球マクロファージ系細胞のライソゾーム内にSPMの蓄積が進行する.本剤を静脈内投与すると,全身に分布し,受容体を介した細胞内取込み(エンドサイトーシス)によって種々の組織および細胞に取り込まれ,ライソゾームへと輸送され酵素補充効果を示す.2022年3月に承認された.

商品名

 ゼンフォザイム点滴静注用

主症状

 重大な副作用として,infusion reaction(頭痛,蕁麻疹,発熱,悪心,嘔吐等),アナフィラキシーが報告されている.また,主な副作用として,頭痛,悪心,嘔吐,腹痛,蕁麻疹,瘙痒症,筋肉痛,発熱,C-反応性蛋白増加,リンパ節痛,過敏症,浮動性めまい,嗜眠,片頭痛,動悸,潮紅,低血圧,呼吸困難,咳嗽,上腹部痛,下痢,腹部不快感,下腹部痛,アフタ性潰瘍,消化不良,鼓腸,肝臓痛,発疹,紅斑,斑状皮疹,斑,丘疹,関節痛,筋骨格系胸痛,背部痛,関節腫脹,頸部痛,四肢痛,骨痛,筋痙縮,筋骨格不快感,腎臓痛,疲労,悪寒,無力症,非心臓性胸痛,疼痛,ALT増加,AST増加,血中ビリル

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