◆病態と診断

A学会での主なトピックス

　2020年に開設された日本臨床・分析中毒学会（英名：Japanese Society of Clinical ＆ Analytical Toxicology，略称：J's-CAT）（代表理事：上條吉人）は，2022年4月21日付で一般社団法人化された．2021年9月15日に昭和大学薬学部毒物学部門の沼澤聡先生を大会長として第3回学術集会がweb開催され，一般演題に加えて特別企画として，昭和大学薬学部生体分析化学部門の加藤大先生による「粒子径100nm程度のナノ粒子分析用HPLCカラムの開発」，科学警察研究所の辻川健治先生による「薬毒物分析を依頼される先生方に知って欲しいこと：法中毒学的な観点から」というテーマの教育講演が行われた．また，2022年3月16日に第4回学術集会が筆者を大会長としてweb開催され，一般演題に加えて特別企画として，国際医療福祉大学医学部救急医学の千葉拓世先生による「急性中毒診療実践ルール16」，株式会社バイオデザインの安部寛子先生による「簡易薬物検査キットの基礎講座」というテーマの教育講演，タイ王国のRamathibodi Poison CenterのSatariya Trakulsrichai先生による「Jellyfish Envenomation in Thailand」というテーマの特別講演が行われた．

　また，近年社会問題となっている市販薬中毒に関しては，当学会主導で厚生労働省科学研究費補助金による「救急医療施設に搬送となった急性市販薬中毒の疫学的および臨床的特徴に関する調査」，および「救急医療施設に搬送されたカフェインを主成分とする市販薬の過量摂取による急性カフェイン中毒の疫学的・臨床学的特徴に関する追跡調査」の2つの多施設共同調査・研究が進行中である．

B疾患

1．デキストロメトルファン中毒

　1990年代前