頻度 あまりみない
治療のポイント
・パラコート,ジクワットはともにビピリジニウム環を有する除草剤であり,混合製剤(プリグロックスL)が非選択性除草剤として販売されている.
・1986年に規制強化されて以降,中毒件数は減少傾向であるが,致死率は依然として高い.
・解毒剤はなく,対症療法が基本であり,集中治療を要することが多い.
・Proudfootら,またはHartらのノモグラムで死亡する可能性が高ければ緩和ケアを考慮する.
◆病態と診断
A病態
・パラコート含有除草剤は本邦で1965年に発売されて以降,自殺や殺人による中毒事故が多発した.1986年にパラコート高濃度製剤の生産が中止され,パラコート,ジクワットの混合製剤(プリグロックスL,マイゼット)が発売された.主に混合製剤として発売されているため,以下パラコート中毒について述べる.
・パラコート中毒のほとんどは経口摂取によるが,皮膚や粘膜からの吸収によ