頻度 あまりみない
治療のポイント
・代謝物の毒性が問題となる.
・重症例では,解毒・拮抗薬(ホメピゾール,エタノール)で毒性代謝物の生成を抑制しつつ,排泄促進のための血液透析を施行する.
◆病態と診断
A病態
・有毒アルコールとして,重度の毒性を発揮するメタノール(MeOH)とエチレングリコール(EG)が重要である.
1.MeOH
・自動車用ウィンドウォッシャー液,燃料用アルコールなどに含有される.
・MeOHは浸透圧ギャップ(OG:osmolal gap)を開大させる.MeOHは,ホルムアルデヒド(半減期が短く蓄積しない),その後ギ酸へと代謝され,アニオンギャップ(AG)開大性代謝性アシドーシスが生じる.ギ酸は強い毒性を有する.
・中毒症状として,初期に消化器症状,摂取後6~30時間で眼症状(視覚異常,失明),中枢神経症状,呼吸・循環器症状が生じる.
・経口摂取によるヒトの中毒量は個人差が顕著である.10~