今日の診療
治療指針

乱用薬物中毒(覚醒剤,大麻,危険ドラッグ,麻薬)
abuse of methamphetamine/marihuana/narcotics/others
岩崎泰昌
(国立病院機構呉医療センター・救命救急センター部長(広島))

頻度 あまりみない

ニュートピックス

・世界的にここ数年,大麻の使用を合法化する動きが広がり,わが国でも大麻の危険性を軽視する傾向が強くなっている.わが国での2020年の大麻事犯の検挙人員は2014年の約3倍に増加しており,特に20歳未満では約10倍に増加している.

◆病態と診断

A覚醒剤

・覚醒剤取締法で定められたアンフェタミン,メタンフェタミンまたはこれらの誘導化学物質を指し,使用経験者の多くは再犯を繰り返す.

中枢神経興奮症状(過覚醒,興奮,幻覚・妄想,多弁,焦燥,けいれんなど)や交感神経刺激症状(口渇,発汗,散瞳,血圧上昇),高体温を生じる.

・重症例では,横紋筋融解症,40℃を超える過高熱,心室性不整脈や循環不全,肺水腫などがあり,血圧上昇に起因した脳出血なども認められる.

B大麻

・大麻はマリファナともよばれ大麻取締法で規制されており,主な精神作用成分はΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC

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