頻度 あまりみない
治療のポイント
・医療従事者の2次被害に注意し,必要であれば除染(乾式および石鹸洗浄)を行う.経口摂取している場合には吐物にも十分注意する.
・呼吸器症状,消化器症状および重篤な場合は不整脈などをきたすこともあり,呼吸・循環のモニタリングを行う.
・基本的な治療方針は対症療法である.解毒・拮抗薬はない.
◆病態と診断
・トルエン,キシレン,ジクロロメタンおよびトリクロロエチレンなど.シンナーはトルエン,キシレン,メタノールなどの混合溶液である.
・シンナーなどの有機溶剤の生涯使用率は,違法薬物の中でいまだ2番目に多いが,減少傾向にある.
・中毒の原因としては自殺企図,乱用のほかに飲料容器へ移し替えていたことによる誤飲,塗装および機械洗浄中などの職業曝露などがある.
・はじめから有機溶剤による中毒であることが明らかではない場合もあり,現病歴や職業歴,症状出現時の状況などの情報収集により有機