頻度 あまりみない
治療のポイント
・キノコ中毒の多くが消化器症状を呈する.
・日本で最も多いのはツキヨタケ,致死性が高いのはドクツルタケとシロタマゴテングタケ.
・解毒拮抗薬はなく,対症療法および全身管理を行う.
・摂取後6時間経過して症状を生じた場合は,毒性の高いドクツルタケとシロタマゴテングタケを念頭におき高次医療施設への搬送を検討する.
◆病態と診断
A病態
・キノコ中毒は生育時期に関連して9~10月に多い.
・症状別に消化器障害型(ツキヨタケ,クサウラベニタケ),神経障害型(テングタケ),原形質毒性型(ドクツルタケ)に分類され,消化器障害型が過半数を占める.
・ドクツルタケとシロタマゴテングタケは白色の傘と柄をもつ猛毒キノコである.消化管から吸収されたペプチド毒が蛋白合成を阻害し,消化器症状に続いて肝障害,腎障害,神経症状をきたし多臓器不全を引き起こす.
・日本ではツキヨタケによるキノコ中毒事故が最多