頻度 あまりみない
治療のポイント
・少ない菌量でも感染が拡大するため,菌消失の確認が必要である.
・抗菌薬投与終了後48時間以上経過したあとに,24時間以上の間隔で連続2回の便培養検査を実施し,陰性であることを確認する.
◆病態と診断
A病態
・細菌性赤痢は赤痢菌(Shigella dysenteriae,S. flexneri,S. boydii,S. sonneiの4菌種を含む)による腸管感染症である.
・S. dysenteriaeは志賀毒素(Shiga toxin)を産生するが,これは腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素と同じものであり,重症化しやすい.国内感染例で多いS. sonneiは比較的軽症の場合が多い.
・感染症法の3類感染症であり,診断が確定した場合には直ちに届出を行わなければならない.
・症状としては,発熱,下痢,腹痛を伴うテネスムス(しぶり腹),膿・粘血便などを認める.
B診断
・海外の流行地域への渡航歴がある場合や,国内でも集団発生時には疑う必要がある.
・確定診断は糞便の培養検査で病原体を分離証明することである.
◆治療方針
抗菌薬治療が主体である.2次感染防止のために無症状保菌者であっても除菌が必要である.
対症治療として補液や整腸剤を使用するが止瀉薬は原則禁忌である.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
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