今日の診療
治療指針

リケッチア感染症(つつが虫病,日本紅斑熱) [■4類感染症]
rickettsial diseases [tsutsugamushi disease(scrub typhus)and Japanese spotted fever]
岩崎博道
(福井大学医学部附属病院教授・感染制御部)

頻度 あまりみない

GLリケッチア症診療の手引き(2019)

治療のポイント

・原因不明の皮疹を伴う熱性疾患では,リケッチア感染症も鑑別診断に加え,山林や草むらなどでの野外活動の有無を確認する.

・刺し口の存在は,本症を疑う重要な所見である.

・本症を疑った場合には最寄りの保健所に相談し,必要に応じて確定診断のための検査を依頼する.

・リケッチア感染症治療の第1選択はテトラサイクリン系薬投与である.

Ⅰ.つつが虫病

◆病態と診断

A病態

・つつが虫病は,リケッチア目に分類されるOrientia tsutsugamushiによる感染症で,自然界に生息する微小なダニであるツツガムシ幼虫の刺咬により媒介される.その刺し口が本感染症の特徴的所見となる.

・過去に秋田,山形および新潟において夏に発生する風土病として知られた,アカツツガムシが媒介する死亡率の高い古典的つつが虫病(Kato型)はほとんどみられなくなった.現在

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