頻度 あまりみない
GL蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版)(2019)
ニュートピックス
・複数のワクチン候補があり臨床試験が行われているが,上市されていない.
治療のポイント
・流行国・地域(厚生労働省Webサイト「ジカウイルス感染症の流行地域」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000113142.html を参照)の滞在歴があり発熱,皮疹,関節痛を訴える際は,デング熱なども含め鑑別疾患に挙げる.
・疑いのあるとき,最寄りの保健所に相談し,専門医療機関(日本感染症学会のジカウイルス感染症協力医療機関 https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=27#iryokikan)に相談,患者紹介する.
◆病態と診断
A病態
・フラビウイルス科フラビウイルス属ジカウイルスのヤブ蚊媒介感染症である.陽性者からの輸血,骨髄移植,臓器移植,性行為によっても感染する.
・約20%の感染者が発症し,潜伏期間は3~12日,症状持続期間は2~7日間である.
・症状は多彩で,皮疹(斑状丘疹様の発疹),頭痛,関節痛,結膜炎が多く,発熱は35~65%に認められる.
・多くは軽症で自然軽快する.合併症として,髄膜脳炎,脊髄炎,ギラン・バレー症候群が報告されている.
・垂直感染は20~30%で,流産や胎内発育不全,臓器欠損,死産などを起こす.
・経胎盤感染により先天異常(小頭症,先天性内反足,関節拘縮,網膜異常,難聴など)をきたしたものを先天性ジカウイルス症候群という.
・母体の妊娠初期のジカウイルス感染では,特に小頭症発生リスクが高いとされている.
B診断
・蛍光RT-LAMP(reverse transcription loop-mediated isothermal amplif