頻度 あまりみない
◆病態と診断
A病態
・ネズミ,マングース,ウシ,ブタ,イヌなどの腎臓に持続感染するレプトスピラ属菌を含む尿で汚染された水系や土壌を介して,ヒトの皮膚や粘膜から感染する.
・熱帯および亜熱帯地方では雨期の洪水と関連して発生するが,国内では夏から秋にかけての発生が多く,8~9月の台風や水害後の報告も多い.
・国内感染での発生数は,沖縄県北部と先島地方からが最多であるが,次いで東京都が多く,全国各地で散発的に発生している.
・潜伏期間は2日以内~20日前後と幅が広い.
・症状は非特異的で,発熱,頭痛,悪寒,筋肉痛,結膜充血などで上気道炎症状を伴わない.
B診断
・検査診断は血清,髄液,尿からのPCRによる遺伝子検出が最も早く,次いで抗菌薬投与前に採取した血液,髄液,尿の特殊培地による培養,回復期血清による抗体診断となるが,発症5日までに有効抗菌薬で治療が開始されなかった場合の致死率は20~40%と高い.
・発症前に,水害後の泥濘地および水田や溝などでの労働,河川など淡水の水系でのレジャーやスポーツに参加した病歴,都市部でもネズミなどへの接触歴がある場合は,リケッチア症などとともに本疾患を臨床的に疑って治療を開始することが勧められている.
・第2病週に,黄疸や出血,腎不全を発症する重症型はワイル病とよばれ,迅速な治療開始が必要となる.
◆治療方針
A抗菌薬治療
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
(軽症例)
1)ドキシサイクリン(ビブラマイシン薬)錠(100mg) 1回100mg 1日2回 7~10日間保外
!注意 1)の血液脳関門の透過性は高くないので,髄膜炎を伴うような重症例では注意が必要.
(入院例)
抗菌薬治療開始後の
関連リンク
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