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ニュートピックス
・2021年からイムノクロマト法による百日咳菌抗原キット「リボテスト百日咳」が使用できるようになった.
治療のポイント
・臨床症状で百日咳を疑ったら,迅速診断して直ちに抗菌薬治療を開始する.
・疫学的に感染者と接触があり,かつ百日咳特有の臨床症状が出現した場合には,検査せずに臨床診断で抗菌薬治療を開始する.
・新生児から早期乳児(特に3か月未満)では,最初は軽症でも次第に無呼吸発作や呼吸停止を生じたり,肺炎や脳症を合併したりして重症化することがあるので十分注意が必要である.
◆病態と診断
A病態
・百日咳菌による急性呼吸器感染症である.
・典型的な臨床経過は,まず感冒様症状で始まり(カタル期:1~2週間),次第に咳がひどくなってけいれん性咳嗽となり(痙咳期:2~3週間),その後徐々に回復する(回復期:2~3週間).
・ワクチン接種の有無や年齢によって症状や経過は異なる.
・百日咳特有の臨床症状として,①発作性の咳込み(スタッカート),②吸気時の笛声(ウープ),③咳嗽後の嘔吐,④無呼吸発作が痙咳期に認められる.
B診断
・上記の臨床症状に加えて,以下の検査で陽性となったものを百日咳の検査診断例とする.①菌の分離培養,②核酸増幅法〔LAMP(loop-mediated isothermal amplification),PCR〕による遺伝子の検出,③イムノクロマト法による抗原の検出,④抗体(抗百日咳毒素IgG,抗百日咳菌IgA・IgM)の検出.
◆治療方針
百日咳と診断されたら直ちに抗菌薬治療を行う.抗菌薬はカタル期には有効であるが,痙咳期に入ると臨床的効果はないとされる.しかし,百日咳菌は感染力がきわめて強く,咳嗽出現から3週間程度は菌の排出が続くことから,痙咳期であっても抗菌薬投与を行う.すなわち,抗菌薬治療の目的は患者本人の症状の改善ではなく,除菌により感染伝播のリス
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