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GL日本感染症学会提言「~抗インフルエンザ薬の使用について~」(2019)
ニュートピックス
・国内のインフルエンザは,2020/21,2021/22(本項執筆時点)と2シーズン続けて例年のような流行がみられていない.世界的にも一部の国を除き,流行は抑制されている.これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降の現象であり,広汎な人流の抑制や感染対策の強化の影響と考えられるが,患者の受療行動の変化やサーベイランス感度の低下などの可能性もある.今後のインフルエンザの流行については注視が必要である.
・現在,インフルエンザ様疾患を診た場合,第一にCOVID-19を除外することが必要である.この状況がいつまで続くか現段階では不明である.
治療のポイント
・早期診断,早期治療が原則である.
◆病態と診断
A病態
・インフルエンザウイルスによる急性ウイルス感染症.
・A~D型があるが,典型的な症状を起こすのはA型とB型.近年は,A(H1N1)pdm09,A(H3N2),B(ビクトリア系統),B(山形系統)が流行しており,ワクチンはこれらを標的とした4価ワクチンが用いられている.
B診断
・これまでは,流行期に典型的な症状を認めた場合,臨床診断は比較的容易とされていた.
・しかしCOVID-19パンデミック下にあっては,インフルエンザとCOVID-19とを臨床症状だけで鑑別するのは困難である.
・臨床的にはインフルエンザ迅速診断キット(イムノクロマト法)を用いて診断するのが一般的.COVID-19の除外検査も検討する.
◆治療方針
下記の患者については,インフルエンザが確定あるいは疑われたならば,ワクチン接種の有無にかかわらず,可及的早期に抗インフルエンザウイルス薬(以下,抗ウイルス薬)治療を開始する.①インフルエンザで入院した患者,②重症あるいは症状の進行する外来患者,③イン
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