ニュートピックス
・COVID-19の一部は消化器症状で発症することが報告されている.したがって,ほかの感染症の流行状況によって鑑別が必要である.
◆病態と診断
・患者から得られる診断の根拠となる情報源は病歴・自覚症状などの患者由来情報,患者および術者のスキル依存の身体所見由来の情報,臨床検査,画像検査,生理検査などの検査所見情報の3種類である.
・患者由来情報については完全に患者に依存してしまうが,感染性腸炎では病歴聴取が最大のカギとなり,野外での行動歴や海外渡航歴を確認する.
・上部消化管症状としては,嘔吐や嘔気,下部消化管症状としては,蠕動に伴う腹痛や下痢症がみられる.症状の組み合わせから,次のように原因が推測される.
1)上部消化管症状が中心の場合:黄色ブドウ球菌やセレウス菌(Bacillus cereus)による毒素型食中毒,ノロウイルス,サポウイルスやアストロウイルスによる胃腸炎
2)下部消