頻度 割合みる
治療のポイント
・飛沫感染であり,飛沫感染対策を行う.
・マクロライド系薬,テトラサイクリン系薬,キノロン系薬が有効である.
・高齢者や重症例では一般細菌の混合感染を念頭におく必要がある.
◆病態と診断
A病態
・Chlamydia pneumoniaeによる肺炎は5類感染症に区分されており,細胞壁を有しないためβ-ラクタム系の抗菌薬が無効である.
・飛沫感染が主であり,全年齢で感染機会が多いとされる.肺炎,気管支炎,咽頭炎,中耳炎などをきたすこともあるが,不顕性感染や感冒様症状のみで自然治癒することもある.
・本菌による肺炎はこれまで市中肺炎の10%前後とされていたが,最近の血清抗体価に基づく診断方法では2.8%とされており,また遺伝子診断ではさらにまれであったとする報告がある.
B診断
・クラミジア肺炎は通常,検体の塗抹染色や培養検査,抗原検査での診断は困難である.
・一般的には血清抗体価による診断を行うが,ペア血清ではIgG抗体価の追跡が4~8週間かかるため治療開始時には参考にできない.IgM抗体価は症状出現10日以内には産生されていない場合があることや,再感染時には上昇しないことに留意すべきであり,また偽陽性も多い.本邦ではヒタザイム法と,より特異性の高いとされているエルナス法が使用できる.
・使用できる施設は限られているが,2020年に本邦で使用が承認されたFilmArray呼吸器パネル2.1はnmPCR(nested multiplex polymerase chain reaction)法を用いて18種類のウイルスと3種の細菌を同時に検査できる.この検査項目にChlamydia pneumoniaeも含まれている.
◆治療方針
マクロライド系薬,テトラサイクリン系薬,キノロン系薬で治療を行う.治療期間は通常10日~14日間とされている.
A外来治療
Px処方例 下記のいずれか
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