今日の診療
治療指針

無芽胞嫌気性感染症 [■その他]
non-spore-forming anaerobic bacterial infection
八木哲也
(名古屋大学大学院教授・臨床感染統御学)

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GLJAID/JSC感染症治療ガイド2019

ニュートピックス

・重症例の治療については「日本版敗血症診療ガイドライン2020」に詳細な解説がある.

治療のポイント

・抗嫌気性菌活性のある抗菌薬で疫学的に耐性が少ないのは,ペニシリン系+β-ラクタマーゼ阻害薬,カルバペネム系薬,メトロニダゾールである.

・膿瘍や壊死性病変を形成することが多いため,抗菌薬だけでなく,穿刺ドレナージ,デブリードマンなどの外科的アプローチが重要である.

◆病態と診断

A病態

・無芽胞嫌気性菌感染症のほとんどは,好気性菌との混合感染である.

・腹腔内感染症や菌血症の原因となるのはBacteroides fragilisなどのBacteroides属菌であり,横隔膜より上の歯性感染症や肺感染症は,Fusobacterium属,Prevotella属やPeptostreptococcus属などによるものが多い.

B診断

・嫌気

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