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GL深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014
治療のポイント
・菌種により,第1選択薬として推奨される抗真菌薬が異なる場合がある.
・フルコナゾール,ボリコナゾール,イトラコナゾール,ポサコナゾール投与では,薬物相互作用に注意する.
・ボリコナゾール投与では,TDMの実施(トラフ濃度の測定)が推奨される.
・イトラコナゾール錠については有効な血中濃度の上昇が得られない症例がある.
・カンジダ血症では,高率に眼病変を合併するため眼科的精査が推奨される.キャンディン系薬は眼内移行が不良であるため,眼病変合併例の治療に対しては推奨されない.
◆病態と診断
A病態
・深在性真菌症とは,主として経気道的・経皮的・経腸管的に深部に侵入した真菌により惹起される感染症の総称である.
・原則として,中心静脈(CV:central venous)カテーテル留置,血液悪性疾患や造血幹細胞・臓器移植,肺抗酸菌感染症をはじめとする慢性肺疾患など,明らかな発症リスクを有する患者のみに発症する(クリプトコックス症を除く).
B診断
・画像上感染巣を疑わせる所見があり検体からの培養が陽性となった場合,もしくは病巣からの生検検体の病理組織で真菌を認めた場合は深在性真菌症(アスペルギルス症,クリプトコックス症,ムーコル症など)の診断となる.
・CVカテーテル留置,腸管の外科的切除術後などで抗細菌薬不応性の発熱があり,血液培養で真菌陽性の場合に真菌血症(カンジダ血症など)の診断となる.
・各種血清マーカー〔アスペルギルス抗原,β-D-グルカン,クリプトコックス抗原,アスペルギルス沈降抗体(保険未収載)など〕が参考になることもある.
・クリプトコックス髄膜炎は,脊髄液の墨汁法での菌体確認,培養,髄液クリプトコックス抗原などが診断根拠となる.
◆治療方針
深在性真菌症の場合,画像検査,血清検査の感度・特異度が必ずしも高くない場合
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