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ニュートピックス
・COVID-19が流行し,感冒症状の鑑別にSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)が加わった.COVID-19については「COVID-19」の項(→)参照.
治療のポイント
・急性気道感染症のほとんどはウイルスによるものである.
・感冒に対しては対症療法を行う.
・急性咽頭炎は,A群溶連菌によるものを除いて抗菌薬の適応とはならない.対症療法を中心に行う.
・急性副鼻腔炎では重症度や症状の持続期間を踏まえて抗菌薬の適応を判断する.
・急性気管支炎では百日咳など一部の細菌感染症を除いて抗菌薬は使用せず,対症療法を行う.
◆病態と診断
A病態
・急性気道感染症は,急性上気道感染症(感冒,急性咽頭炎,急性鼻副鼻腔炎)と急性下気道感染症(急性気管支炎)を含む概念である.一般に風邪,風邪症候群,感冒などとよばれる.
・種々の体調不良を,気道症状の有無にかかわらず「風邪」と認識する患者が多い.
・急性気道感染症の原因となる微生物の9割はウイルスである.
・急性気道感染症を症状に応じて4種類に分類し理解することが,治療方針を定めるうえで有用である.すなわち,感冒(鼻汁,咽頭痛,咳・痰がどれも際立たず同程度にある),急性鼻副鼻腔炎(鼻汁・鼻閉),急性咽頭炎(咽頭痛),急性気管支炎(咳・痰)となる.
B診断
・患者自身が「風邪をひいた」と受診したら,気道症状の有無,ほかの症状の有無を確認し,急性気道感染症以外の病態でないかを確認する.
・流行状況に応じて,COVID-19やインフルエンザなど個別の対応を要する急性呼吸器感染症を鑑別する.
・鼻汁,咽頭痛,咳がほぼ同時に同程度に存在する病態を感冒と分類する.「いつもと同じ風邪」と表現されることも多い.感冒はウイルス性の急性気道感染症である.
・鼻汁,鼻閉などの鼻症状を主とする病態を急性鼻副鼻腔炎と分類する.細菌性は2%未満とされ,ほとんどはウイル
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