今日の診療
治療指針

予防接種の安全性と有効性 [■その他]
safety and vaccine efficacy/effectiveness
大石和徳
(富山県衛生研究所・所長)

ニュートピックス

・新型コロナウイルスワクチンとしてmRNAワクチン(ファイザー社製および武田/モデルナ社製:12歳以上対象,2回接種)およびアデノウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社製:40歳以上対象,2回接種)の接種が可能になった.新たに,mRNAワクチン(ファイザー社製および武田/モデルナ社製)の追加接種(3・4回目)が承認され,初回接種と異なるワクチンによる交互接種も可能となった.さらに,2022年2月に5~11歳,同年10月には生後6か月~4歳の小児に対するmRNAワクチン(ファイザー社製)の初回接種(2回接種)が可能となった.また,2022年秋からオミクロン株対応2価ワクチン(BA.1およびBA.4-5対応型)の接種が開始された.

・2022年4月からHPVワクチンの積極的接種勧奨の再開が決定され,小学校6年生~高校1年生相当年齢の女性に対して2種類のワクチン(2価ワクチン,4価ワクチン)のいずれかを3回接種する.また,HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した人に対して,従来の定期接種の対象年齢を超えてキャッチアップ接種が可能になった.

A予防接種のポイント

 健常人を対象とする予防ワクチンには,予防効果だけでなく高い安全性が求められる.予防接種情報は国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html),予防接種関連の学会Webサイトから閲覧できる.

B予防接種法における予防接種の類型

1.予防接種法に基づく予防接種

 定期接種(A類疾病,B類疾病)がある.A類の目的は集団予防,重篤な疾病の予防に重点があり,努力義務と接種勧奨がある.B類の目的は個人予防で,努力義務や接種勧奨はない.A類疾病には,ジフテリア,百日咳,ポリオ,麻疹,風疹,日本脳炎,破傷風,結核,Hib感染症,小児の肺炎球菌感染症,

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