頻度 あまりみない
治療のポイント
・海外の第1選択薬であるアルベンダゾールは国内では保険適用がなく,保険適用のあるピランテルパモ酸塩を用いて治療する場合が多い.
・治療の奏効率は報告によって幅があるため,糞便での治癒確認検査が推奨される.
◆病態と診断
A病態
・経皮的に感染した鉤虫(hookworm)の小腸での寄生により,腹痛,下痢などの症状や好酸球増多,鉄欠乏性貧血などの病態を起こす疾患.無症状病原体保有者も存在するが,多数の虫体が感染した場合,有症状となりやすい.
・ズビニ鉤虫(A. duodenale),アメリカ鉤虫(Necator americanus)がヒトの腸管に寄生する鉤虫として有名であるが,セイロン鉤虫による感染症も近年報告が認められる.ズビニ鉤虫のみ経口感染を起こしうるが,ほかの鉤虫は経皮感染を起こす.
・ヒトを終宿主としないブラジル鉤虫(A. braziliense),イヌ鉤虫(A