頻度 割合みる
治療のポイント
・海産魚類やイカなどの生食が原因となる.病因探索には発症の10日程度前までの摂食歴の聴取が望ましい.食品衛生法の食中毒病因物質である.
・魚介類の生食後数時間で悪心・嘔吐,心窩部痛をみる急性腹症,胃アニサキス症が最多であり,内視鏡検査による虫体確認・除去が有効である.
・腸アニサキス症は,腸閉塞症状で発症するが保存的治療で対応可能.ただし,まれに腸管壁の高度浮腫,腸穿孔をみるため,開腹手術の備えは必要である.
・通常の魚介類のアレルギーにはアニサキスアレルギーが含まれ,時にアナフィラキシー症状をきたすこともあり要注意である.
・腸管外で死滅したアニサキス幼虫を中心に炎症性の肉芽腫が形成され,病理検査により虫体が検出されることがある(腸管外アニサキス症).
◆病態と診断
A病態
・アニサキス症は,魚介類の生食を介して人体に侵入した幼線虫(アニサキス属またはシュードテラノバ属)の