頻度 情報なし
治療のポイント
・寄生虫疾患の診断においてはまず疑うことが重要である.寄生虫疾患は末梢血好酸球増多をきたすものが多く,そのような際には寄生虫疾患が蔓延している地域での居住や渡航歴,寄生虫感染リスクの高い食材や料理の摂取,ペット飼育や家畜の有無などの詳細な問診が大切である.
Ⅰ.肺吸虫症
◆病態と診断
A病態
・肺吸虫の中間宿主であるモクズガニやサワガニなどの川ガニを加熱が足りないなどの不十分な調理で摂取する,あるいは待機宿主となっているイノシシまたはシカを不十分な調理で摂取することによって感染する.
・経口摂取された幼虫は小腸を貫通して腹腔に入り,横隔膜を通って胸腔内に入る.胸腔内から胸膜を通って肺内へ到達し,成虫となる.
・主な臨床症状は咳嗽,血痰などで,幼虫が胸膜を貫通する際に気胸を生じることがある.
B診断
・診断は喀痰,糞便,気管支洗浄液などで虫卵を証明することで確定する.
・また,抗肺