今日の診療
治療指針

その他の吸虫症(肺吸虫症,肝吸虫症,横川吸虫症,肝蛭症)
paragonimiasis,clonorchiasis,metagonimiasis and fascioliasis
松元信弘
(国立病院機構宮崎東病院・呼吸器内科医長)

頻度 情報なし

治療のポイント

・寄生虫疾患の診断においてはまず疑うことが重要である.寄生虫疾患は末梢血好酸球増多をきたすものが多く,そのような際には寄生虫疾患が蔓延している地域での居住や渡航歴,寄生虫感染リスクの高い食材や料理の摂取,ペット飼育や家畜の有無などの詳細な問診が大切である.

Ⅰ.肺吸虫症

◆病態と診断

A病態

・肺吸虫の中間宿主であるモクズガニやサワガニなどの川ガニを加熱が足りないなどの不十分な調理で摂取する,あるいは待機宿主となっているイノシシまたはシカを不十分な調理で摂取することによって感染する.

・経口摂取された幼虫は小腸を貫通して腹腔に入り,横隔膜を通って胸腔内に入る.胸腔内から胸膜を通って肺内へ到達し,成虫となる.

・主な臨床症状は咳嗽血痰などで,幼虫が胸膜を貫通する際に気胸を生じることがある.

B診断

・診断は喀痰,糞便,気管支洗浄液などで虫卵を証明することで確定する.

・また,抗肺

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら

トライアル申込ボタンを押すとトライアル申込ページに遷移します

トライアルの申し込みが完了しましたら,ライセンス情報更新ボタンを押してください