◆病態と診断
A進行性肺線維症(PPF:progressive pulmonary fibrosis)
2022年5月,特発性肺線維症(IPF:idiopathic pulmonary fibrosis)とPPFの診療ガイドラインが,American Thoracic Society(ATS),European Respiratory Society(ERS),Japanese Respiratory Society(JRS),Latin American Thoracic Society(ALAT)の4学会合同で発表された.PPFは症状,画像所見,呼吸機能のうち,2つ以上の進行性の悪化を認める間質性肺疾患と定義され(表1図),IPFは含まない.IPF以外の特発性間質性肺炎をはじめ,膠原病,過敏性肺炎,じん肺など,多種・多様な間質性肺疾患がPPFの病態を呈することが知られている.
B肺高血圧症(PH:pulmonary hypertension)
2018年2月,フランス・ニースにて第6回World Symposium on Pulmonary Hypertensionが開催され,PHの定義の見直しが討議された.同年12月に発表されたタスクフォースによる論文では,PHの定義を平均肺動脈圧が20 mmHgを超える場合とすることが提唱された.この改訂に伴い,肺血行動態からみたPHの分類も再定義され(表2図),それぞれに対応するPHの臨床分類にも若干の変更が加えられた(表3図).
◆治療
A肺癌
1.細胞障害性抗癌剤と免疫チェックポイント阻害薬(ICI:immune checkpoint inhibitor)の併用療法
ドライバー遺伝子変異/転座陰性の切除不能進行・再発(Ⅳ期)非小細胞肺癌,および進展型小細胞肺癌に対する細胞障害性抗癌剤による化学療法とICIの併用療法が,2018年から順次