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GL成人肺炎診療ガイドライン2017
ニュートピックス
・耐性菌リスクを有する患者への耐性菌を標的とした抗菌薬治療は予後を改善しない.
治療のポイント
・繰り返す誤嚥性肺炎や終末期肺炎に対しては積極的な抗菌薬治療を行わないことも選択肢となりうる.
・口腔ケアや摂食・嚥下リハビリテーション,早い段階での理学療法の介入が重要である.
・アドバンス・ケア・プランニング(患者の意思決定を支援するプロセス)に取り組むことが必要である.
・「ATS/IDSA市中肺炎ガイドライン2019」では医療・介護関連肺炎の概念の使用は推奨されていない.
◆病態と診断
A病態
・誤嚥性肺炎が発症機序の大部分を占める.
・市中で発症した肺炎のうち,下記1つ以上を満たす.
1)長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している.
2)90日以内に病院を退院した.
3)介護を必要とする高齢者,身体障害者.
4)通院にて継続的に血管内治療(透析,抗菌薬,抗癌化学療法,免疫抑制薬などによる治療)を受けている.
B診断
・発熱や咳嗽,膿性痰の出現,息切れ,胸痛などが主症状であるが,高齢者や全身状態不良な患者が多く含まれることから,意識障害や脱水症状など,典型的な呼吸器症状を呈さない場合も多い.胸部X線写真や胸部CTにおける新たな陰影の出現,血液検査での白血球増多やCRP高値などの臨床所見を総合的に評価し,診断する.
1.重症度の評価
・A-DROP(Age,Dehydration,Respiration,Orientation,Blood Pressure),PSI(pneumonia severity index),CURB-65(Confusion,Urea,Respiratory Rate,Blood Pressure,65歳以上)のいずれかを用いた評価が推奨されている.ただし,市中肺炎のように確立された重症度評価法はない.
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