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ニュートピックス
・2021年,肺Mycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)症に対する多剤併用療法による前治療において,効果不十分な患者に対するリポソーム化アミカシン吸入療法が保険適用となった.
治療のポイント
・肺MAC症にはいまだ完全な治療法はなく,長期間の薬剤投与が必要とされる.
・診断がついても全例に直ちに治療を行うわけではない.
・一般的に,自覚症状の悪化や胸部画像陰影の悪化が治療開始の指標となる.
・改善例でも再発が頻発する.
◆病態と診断
A病態
・非伝染性の抗酸菌感染症.呼吸器感染症をきたすことが多い.
・慢性経過をとり,治療困難である.
・自然経過で改善,増悪を繰り返すこともあり,治療開始時期は症例ごとに判断する.
B診断
・特異的症状はなく,慢性呼吸器感染症に伴う症状を呈する.咳嗽や喀痰が主たる症状だが,血痰,全身倦怠感,体重減少などをきたす場合もある.また,全く無症状で胸部異常陰影のみの場合もある.
・中高年の女性に好発する.
・画像所見と細菌学的所見で診断を行う.胸部画像では,中葉・舌区に小葉中心性の小結節影と気管支拡張を認める結節・気管支拡張症型が代表的だが,時に空洞を伴う結節影を認める肺結核類似型を示す.
・細菌学的検査として,喀痰塗抹検査,培養検査,PCR法,MALDI-TOF MS(matrix-assisted laser desorption/ionization-time of flight mass spectrometry)(質量分析)法が行われる.この検査によってMAC症か,それ以外の非結核性抗酸菌症に分類される.
・血液検査として,キャピリアMAC抗体ELISA法〔GPL(glycopeptidolipid)抗体〕が保険適用済みで,補助診断法の1つとして用いられている.
◆治療方針
菌種によって治療
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