今日の診療
治療指針

喘息・COPDオーバーラップ(ACO)
asthma and COPD overlap(ACO)
金子 猛
(横浜市立大学大学院主任教授・呼吸器病学)

頻度 よくみる

治療のポイント

・喘息とCOPDのそれぞれの特徴を併せもつ病態であるため,喘息に対する吸入ステロイド薬(ICS)による抗炎症療法と,COPDおよび喘息による気流閉塞に対する気管支拡張療法が基本となる.

・気管支拡張療法には,長時間作用性β2 刺激薬(LABA)および長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の吸入薬が用いられる.

・吸入薬の併用には配合薬を用いるのが簡便であるため,ICS/LABAあるいはICS/LABA/LAMAの配合薬が用いられる.必ずICSを併用し,LAMA,LABAやLAMA/LABAの単独投与は行わない.

・ACOと好酸球性気道炎症を有するCOPDとは区別すべき病態として注意する.

◆病態と診断

A病態

・ACOでは,喘息やCOPD単独の場合と比較してコントロールが不良で,増悪頻度や重症度が高く,また,QOLや呼吸機能の低下も著しい特徴がある.

・ACOの病態は不均一であり

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?