今日の診療
治療指針

気管支拡張症
bronchiectasis
鈴木 雅
(北海道大学准教授・呼吸器内科学)

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ニュートピックス

・新規の吸入抗菌薬や経口抗炎症薬(DPP-1阻害薬)が開発され臨床試験の結果が報告されており,今後のさらなる薬剤開発が望まれる.

治療のポイント

・気管支拡張症は特発性以外にさまざまな疾患が原因となる場合があり,基礎疾患の有無および評価が重要である.

・主症状である喀痰に対しては去痰薬を用いる.

・喀痰症状の強い症例や急性増悪を反復する症例に対しては,マクロライド少量長期投与を考慮する.

・急性増悪時には起炎菌の同定を試みるとともに,同定困難な場合にはエンピリックに抗菌薬投与を行う.

◆病態と診断

A病態

・気管支拡張症は持続的炎症により気管支径の拡張をきたす形態学的変化に対して称される病態であり,単一の疾患ではなくさまざまな疾患によって引き起こされる.

・特定の基礎疾患が明らかではない特発性が最多であるが,先天性および後天性の基礎疾患が存在する場合も多い.

・先天性の基礎疾患:

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