今日の診療
治療指針

膠原病に伴う間質性肺疾患
connective tissue disease-associated interstitial lung disease(CTD-ILD)
近藤康博
(公立陶生病院・呼吸器・アレルギー疾患内科(愛知))

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GL膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020

ニュートピックス

・本邦の前向き研究では特発性間質性肺炎症例でIPAF基準を満たす症例は予後良好であった.

治療のポイント

・膠原病の基礎疾患,自己抗体,バイオマーカー所見とHRCT所見から病態を判断し,治療反応性や予後を類推し適切な治療方針を立てる.

・進行性線維性を呈する膠原病に伴う間質性肺疾患の治療選択肢に抗線維化薬(ニンテダニブ)が加わった.

◆病態と診断

A病態

・膠原病(CTD:connective tissue disease)では,疾患を問わず呼吸器疾患の合併頻度が高く,気道,間質,血管ならびに胸膜に多彩な病変をきたす.

・間質性肺疾患(ILD:interstitial lung disease)は頻度が高く,生命予後へのインパクトが最も大きい.

・非特異性間質性肺炎(NSIP:nonspecific interstitial pneumonia)と通常型間質性肺炎(UIP:usual interstitial pneumonia)が主たる組織型であるが,器質化肺炎(OP:organizing pneumonia)やびまん性肺胞障害(DAD:diffuse alveolar damage)も認める.

・CTD-ILDの臨床経過,治療反応性や予後は多様で,無治療でも長期にわたって進行しない慢性例から,治療にもかかわらず数週以内に呼吸不全に至る急速進行性例まで幅広い.

・CTD-ILDのなかには特発性肺線維症(IPF:idiopathic pulmonary fibrosis)と類似の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD:progressive fibrosing interstitial lung disease)の一群を認める.

・CTDが疑われるが確定診断に至らないILD症例は,IPAF(interstit

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