治療のポイント
・胸部への放射線照射後に,胸部画像にて新たな陰影の出現をみた場合に発症を疑う.
・典型的には放射線照射野内に発症することから,線量分布図と陰影出現部位を見比べることが重要である.
・高熱や呼吸困難などの明らかな症状を呈する症例が治療対象となる.
・エビデンスの高い治療法はなく,治療対象症例にはステロイド薬が経験的に使用される.
◆病態と診断
A病態
・放射線肺炎は,胸部への放射線治療後に,典型的には照射野に一致して発生する非感染性の肺炎である.
・照射された放射線による正常肺組織の傷害と,傷害された肺組織から産生される炎症性サイトカインによって,主として間質に炎症が惹起される.
・放射線照射外に陰影が出現する場合があるが,その発生機序は放射線の傷害によるものではなく,過敏性肺炎に類似したアレルギー反応であると考えられている.
・放射線照射直後あるいは照射後6か月を経てから出現する場合もあるが,