頻度 よくみる
◆病態と診断
・一般的に低血圧は収縮期血圧100mmHg未満であり,それに伴う何らかの症状を伴う場合に低血圧症と診断する.
・最も発生頻度が高いのは起立性低血圧症であり,起立後3分以内における収縮期血圧20mmHg以上の低下,あるいは拡張期血圧10mmHg以上の低下のいずれかの場合に診断される.
・原疾患の鑑別には,低血圧が進行性であるか否か,全身疾患(脱水,貧血,部分自律神経障害か汎自律神経障害か,など)がないかどうか,あるいは自律神経に影響を及ぼす薬剤(降圧薬,亜硝酸薬,精神安定剤,睡眠薬など)の服用を最近開始していないか,あるいは薬剤変更がなされていないか,などを確認する.
・起立試験で,血圧低下時に反応性の心拍数上昇をほとんど認めない場合には自律神経障害による低血圧を,血圧低下時に極端な心拍数上昇を認める場合には脱水や貧血などによる2次的な起立性低血圧を疑う.
◆治療方針
基本