今日の診療
治療指針

無症候性心筋虚血
silent myocardial ischemia(SMI)
小林欣夫
(千葉大学大学院教授・循環器内科学)

頻度 よくみる

治療のポイント

・至適薬物療法を行う.

・侵襲的治療による血行再建の適応を吟味する.

◆病態と診断

A病態

・心筋虚血が存在するにもかかわらず,狭心症症状を伴わないものである.

・高齢者や糖尿病患者に多いとされている.

B診断

・胸痛などの狭心症症状を認めないが,冠動脈造影などで冠動脈狭窄を認め,心筋シンチグラフィなどで心筋虚血が証明され診断される.

◆治療方針

 安定狭心症に準ずる.ISCHEMIA試験により血行再建術の適応が見直されている.一方,血行再建を行わない場合は,その後にACSが発生しないか注意深い経過観察が必要である.

A生活指導

 食事療法,運動療法,禁煙,ストレス回避,血圧管理,適正体重の維持,耐糖能障害,脂質異常症の是正など,動脈硬化のリスクとなる要因を除去する.

B薬物治療

1.スタチン

 冠動脈硬化退縮,ACS発症予防のためスタチンを投与する.

Px処方例 下記のいずれかを用いる.

1

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら

トライアル申込ボタンを押すとトライアル申込ページに遷移します

トライアルの申し込みが完了しましたら,ライセンス情報更新ボタンを押してください