頻度 よくみる(心電図検診の5%程度に房室ブロックを認め,2度房室ブロック,3度房室ブロックはそれぞれ1%未満である)
GL不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)
GL不整脈薬物治療ガイドライン(2020年改訂版)
GL2021年JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈非薬物治療
ニュートピックス
・ペースメーカ治療における心室ペーシング部位として,ヒス束や左脚などの刺激伝導系をペーシングする方法が「2021年JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈非薬物治療」に掲載された.
・心腔内に植え込むリードレスペースメーカとして,心房収縮を感知して心房心室同期ペーシングを行うことができるVDD型ペースメーカが使用可能になった.
治療のポイント
・徐脈症状を伴う房室ブロックは,可逆的原因が明らかな場合以外はペースメーカ植込み手術を行う.
・無症状でも,器質的心疾患を伴う場合,Mobitz Ⅱ型および完全房室ブロック,徐脈が誘因の心室性不整脈,著しい心休止を認める場合には,専門医に紹介し治療方針を検討する.
◆病態と診断
A病態
・先天性房室ブロックは,チャネル病などの遺伝性,修正大血管転位などの心奇形,母親がSLEやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患で抗SS-A/Ro・SS-B/La抗体が胎盤通過することなどが原因になる.
・後天性房室ブロックは,加齢によるもの,心筋梗塞・心筋炎・心サルコイドーシスなどの心疾患により2次的に発生するもの,大動脈・心室中隔への外科的介入後に生じるものがある.
・抗不整脈薬の副作用による房室ブロックを除外診断する.
B診断
・心電図により診断し,1度,2度,3度(完全)に分類する.
・1度房室ブロック:心房から心室への伝導比は1対1であるが,PQ時間が延長(0.20秒以上)する病態.
・2度房室ブロック:房室伝導が周期的または間欠的
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