頻度 よくみる(正確なデータはないが,年齢とともに増加し,75歳以上では罹患率10%以上と報告されている)
GL2020年改訂版弁膜症治療のガイドライン
Ⅰ.僧帽弁閉鎖不全症(MR)
治療のポイント
・1次性(弁性)MRと2次性(機能性)MRとでは,介入適応の基準が異なる.
・無症候性1次性重症MRの手術適応決定において,左室駆出率や左室サイズなどに加え,僧帽弁形成術が可能かどうかが重要なポイントとなる.
・冠動脈バイパス術の適応のない左室機能低下に伴う機能性MRに対する治療に関しては,外科治療,経皮的僧帽弁接合不全修復術(マイトラクリップ),保存治療を含めてハートチームで議論する.
・心房細動に伴ってみられる心房性機能性MRでは,カテーテルアブレーション,外科治療,マイトラクリップ,保存治療を含めてハートチームで議論する.
◆病態と診断
A病態
・僧帽弁閉鎖不全症(MR:mitral regurgitati