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GL心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)
治療のポイント
・治療可能な二次性心筋症の鑑別を行い,日本循環器学会の「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」の心不全ステージ分類に従った適切な心不全治療を行う.
・慢性心不全症状を特徴とし,急性増悪を繰り返す進行性の心筋疾患である.
・無症状症例,治療反応性良好な症例や治療抵抗性を示す症例が存在し,心不全の経過は多彩である.
◆病態と診断
A病態
・拡張型心筋症(DCM)は左室のびまん性収縮障害と左室拡大を特徴とし,慢性心不全を主要な病態とする進行性の心筋疾患である.
・確定診断には,虚血性心筋症・弁膜症・心筋炎・サルコイドーシス・周産期や薬剤性といった基礎疾患ないし全身性異常に続発する二次性心筋症の除外が必要である.
・発症には遺伝性,自己免疫性や炎症性などの機序が関与している.
・治療により心機能が改善する症例も存在するが,突然死や進行性の心不全を合併し予後不良な重症例も存在し,経過は多岐にわたる.
B診断
・呼吸困難や動悸,易疲労感といった症状を呈することが多い.無症候性症例も存在する.
・身体所見では下腿浮腫などのうっ血所見を呈し,Ⅲ音やラ音を聴取することがある.
・心電図検査では心房細動や心室性不整脈,非特異的ST変化などを呈することがある.
・胸部X線では心陰影拡大を認め,心エコー検査では左室駆出率低下と左室拡大を認める.
・遅延造影MRI検査や心内膜心筋生検は二次性心筋症の鑑別に有用である.
・約20~30%は遺伝性であるため,家族歴を詳細に問診する必要がある.
◆治療方針
DCMは心不全や不整脈を合併するため,これらに対応した治療を行う.
A心不全に対する治療
左室駆出率の低下した心不全(HFrEF:heart failure with reduced ejection fraction)に属する症例が多い.ガイドラ
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