頻度 あまりみない
GLファブリー病診療ガイドライン2020
治療のポイント
・左室肥大などの臓器障害が軽度の段階で治療を開始することが望ましい.
・特異的治療の効果は長期的にみる必要があり,継続使用について理解を得ることが重要である.
・酵素補充療法によりinfusion associated reaction(IAR)が発現する可能性がある.
・薬理学的シャペロン療法の適応は遺伝子変異により決まり,約1/3の症例が使用可能である.
◆病態と診断
A病態
・ライソゾーム酵素αガラクトシダーゼA(αGal)の活性低下によるスフィンゴ糖脂質の蓄積により発症する遺伝性疾患である.
・αGalをコードするGLA遺伝子はX染色体上に存在し,男性はファブリー病(古典型・遅発型)を発症し,女性はヘテロ型となるが,多くの場合で女性も症状を有する.
・心病変の特徴:進行性左室肥大(肥大型心筋症との鑑別),刺激伝導系障害,上室性・心室性不整脈など,がある.
・死因の半数以上が心血管病変(心不全・致死性不整脈)に起因する.
B診断
1.αGal活性測定
・男性例:血漿中または白血球中のαGal活性低下により確定診断(正常値10%以下).
・女性例:酵素活性測定による診断は困難.
2.GLA遺伝子変異
・男性例:臨床病型の決定・薬理学的シャペロン療法の適応判定に有用.
・女性例:診断に必須.
◆治療方針
特異的治療法として,合成αGal製剤を点滴静注にて投与する酵素補充療法と,基質に構造が類似した薬剤を経口投与する薬理学的シャペロン療法があり,臓器障害の進行抑制が明らかとなっている.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
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