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GL急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
ニュートピックス
・COVID-19や免疫チェックポイント阻害薬と心筋炎の関連が指摘されている.
・COVID-19ワクチン接種後の心筋炎も報告されている.日本循環器学会は,ワクチン接種による利益は,接種後心筋炎のリスクを上回るとの声明を出した.
・劇症型心筋炎の循環管理に補助循環用ポンプカテーテル(Impella)が広く用いられるようになった.
治療のポイント
・急性心筋炎の初期症状は非特異的であり,診断が難しい.心筋逸脱酵素測定,心電図,心エコー,MRIなどが診断に役立つ.
・治療の原則は,極期の適切なマネジメントであり,回復までの循環管理と心筋障害の抑制治療を基本とする.
・劇症型では,急激に血行動態が破綻し,致死的となる.早期の診断と,ベストタイミングを逃さない介入・管理が必要である.
・心内膜心筋生検による病型診断(好酸球性,巨細胞性)は,免疫抑制療法の適応検討に役立つ.
・遷延する心機能低下例では,心筋保護薬の導入が考慮される.
◆病態と診断
A病態
・心筋炎は,心筋に炎症をきたす疾患の総称である.主な病因として,ウイルス感染,薬剤,免疫異常がある.
・病型では,急性,劇症型,慢性(遷延性,不顕性)に分類される.組織学的には,リンパ球性,巨細胞性,好酸球性などに分類される.病因,臨床,組織分類は,必ずしも一対一対応しない.
・ウイルス感染が最多の病因とされるが,多くは病原を同定しえない.免疫異常では,心筋抗原に対する自己免疫寛容の欠如と細胞性免疫の関与が示唆されている.
・劇症型では,数時間~数日で急激に血行動態が破綻し,心肺危機を呈する.極期を適切に管理できれば,予後を担保しうるとの報告もある.
B診断
・臨床症状:心症状に先行して感冒様症状や消化器症状を呈する.息切れ,胸部不快感,倦怠感,発熱といった非
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