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GL心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2018年改訂版)
治療のポイント
・循環血漿量や心拍数増加など,母体の循環動態はダイナミックに変化するため,心疾患をもつ妊産婦では,心不全や不整脈などの心血管合併症リスクが増加する.これら妊娠中の心血管合併症リスク評価に,modified WHO分類が使用される.
・循環器治療薬の妊娠中使用における,安全性もしくは胎児に及ぼすかもしれない危険性を知り,適宜薬物療法を含む適切な母体循環器管理を行う.
◆病態と診断
A病態
・妊娠成立後,循環血漿量は徐々に増加し,妊娠30週前後には非妊娠時の約1.5倍になる.
・循環血漿量の増加に伴い,希釈性に貧血が進行する.
・妊娠後半には,1回心拍出量と心拍数がそれぞれ非妊娠時の20~30%増加し,心拍出量も約1.5倍になる.
・妊娠中は全身の血管抵抗は低下する.エストロゲンなどの影響で血管壁は脆弱化する.
・凝固因子などが増加・活性化され,妊娠中は血栓塞栓リスクが高まる.
・心疾患合併妊娠では,流早産や胎児発育遅延など,産科合併症や児の合併症リスクも正常妊娠に比べて高い.
B診断
・妊娠20~30週台と分娩前後には,循環血漿量の増大に伴い,器質的心疾患,特に狭窄性疾患や心機能低下症例で,心不全合併症が起きやすい.
・貧血の進行により,チアノーゼや慢性心不全症例などでは心不全の増悪や胎児発育不全のリスクがある.
・大動脈縮窄や大動脈炎症候群などでは,妊娠高血圧症候群の合併率が高く,血圧上昇に注意する.
・妊娠初期は悪阻による電解質異常,中期以降は心負荷増大に伴う,不整脈合併症に注意する.
・血栓性素因をもつ女性や,血栓リスクを有する心血管疾患女性では,妊娠初期には悪阻による脱水,後期には増大子宮による下大静脈圧迫,分娩直後のさらなる凝固能亢進時期に,血栓塞栓症の合併が起こりやすい.
・妊娠後半から産後
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