治療のポイント
・問診,理学所見,画像検査によって異物の種類・部位を把握し,異物除去の緊急性を判断する.
・異物の多くは内視鏡的に摘出可能であり,内視鏡的異物摘出術について専門医にすみやかにコンサルトする.
・消化管の穿孔・出血・閉塞や毒性のある異物による病態の急変に注意し,外科的処置の可能性も念頭におく.
◆病態と診断
A病態
・小児では硬貨,ボタンなど丸くて飲み込みやすいものが多く,成人では食物塊,魚骨のほか,最近では高齢者でPTP包装,義歯が増加している.異物除去の緊急性に応じて,以下のように分類されている.
1.緊急性のあるもの
・出血穿孔の可能性のあるもの:有鈎義歯,PTP包装,針,ガラス,魚骨,寄生虫
・閉塞の可能性のあるもの:食物塊,硬貨,ビニール袋など
・毒性のあるもの:電池(マンガン,アルカリ,水銀,リチウム)など
2.緊急性のないもの
・パチンコ玉,ボタン,ビー玉,碁石,体温計内の水銀など.