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治療のポイント
・急性腸炎とは,下痢,腹痛,発熱といった症状を呈し,十二指腸から直腸までの消化管で急性炎症を起こす疾患の総称である.
・症状から小腸型か大腸型かに分けて,問診(疑わしい食品の摂食歴,薬剤内服歴,生活歴,海外渡航歴など)とあわせて原因を推測する.
・治療としては,脱水の程度と重症度を評価し,補液,腸管安静といった対症療法を行うのが基本である.
・原因は感染性,薬剤性,虚血性,その他(血管炎,自己免疫性疾患など)に大別される.虚血性腸炎(→),その他の原因については,それぞれの項を参照されたい.
Ⅰ.感染性腸炎
◆病態と診断
A病態
・細菌(感染型,毒素型,生体内毒素型),ウイルス,原虫,寄生虫などの病原体が腸管に感染,作用して発症する.
・細菌性腸炎は夏季に多い.高熱,腹痛,血便を伴うことがあり,疑わしい食品の摂食歴の問診が重要で,大腸型が多い.
・ウイルス性腸炎は冬季に多い.悪心