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治療のポイント
・急性腸炎とは,下痢,腹痛,発熱といった症状を呈し,十二指腸から直腸までの消化管で急性炎症を起こす疾患の総称である.
・症状から小腸型か大腸型かに分けて,問診(疑わしい食品の摂食歴,薬剤内服歴,生活歴,海外渡航歴など)とあわせて原因を推測する.
・治療としては,脱水の程度と重症度を評価し,補液,腸管安静といった対症療法を行うのが基本である.
・原因は感染性,薬剤性,虚血性,その他(血管炎,自己免疫性疾患など)に大別される.虚血性腸炎(→),その他の原因については,それぞれの項を参照されたい.
Ⅰ.感染性腸炎
◆病態と診断
A病態
・細菌(感染型,毒素型,生体内毒素型),ウイルス,原虫,寄生虫などの病原体が腸管に感染,作用して発症する.
・細菌性腸炎は夏季に多い.高熱,腹痛,血便を伴うことがあり,疑わしい食品の摂食歴の問診が重要で,大腸型が多い.
・ウイルス性腸炎は冬季に多い.悪心・嘔吐を伴い,腹痛は軽く,発熱も少なく,小腸型が多い.
・その他の病原体として,赤痢アメーバ,クラミジア,放線菌,寄生虫(アニサキス,糞線虫,鞭虫など)などがある.
B診断
・症状,問診により,細菌性腸炎とウイルス性腸炎はある程度鑑別が可能である.
・急性(胃)腸炎の診断で入院した患者の約3割は腸管感染症以外の疾患との報告もあり,症状のみで診断する場合は注意が必要である.
・小腸型では,ウイルス,ビブリオ,コレラ菌などによる感染や黄色ブドウ球菌の外毒素によるものが多く,大腸型では,カンピロバクター(最多),サルモネラ,腸管出血性大腸菌,ビブリオ,エルシニアによる感染が多い.
・問診では,疑わしい食品の摂食歴と潜伏期間が,起炎菌を推定するうえで重要である.
・カンピロバクターは鶏肉や牛レバー摂取から2~10日,サルモネラは鶏卵や牛肉摂取から8時間~2日,腸炎ビブリオは好塩性で,魚介類摂取後1日以内に発症す
関連リンク
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- 今日の救急治療指針 第2版/急性腸炎
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