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GL慢性便秘症診療ガイドライン2017
治療のポイント
・新規便秘症治療薬は,ほかの便秘症治療薬(新規薬を除く)で効果不十分な場合に使用する.
・刺激性下剤は連用を避け,頓用を基本とする.
・軟便になっても努責を訴える場合は,便排出障害を疑い専門医へ紹介する.
◆病態と診断
A病態
・「慢性便秘症診療ガイドライン2017」において,便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されている.
・便秘症とは,排便回数の減少(3回未満/週)あるいは排便困難症状(努責や残便感など,主に硬便の排出時に生じる)を呈する状態と考えられる.
・症状から,排便回数減少型と排便困難型に分類される.
・病態から,大腸通過正常型,大腸通過遅延型,機能性便排出障害に分類されるが,鑑別に用いる専門的検査は保険未収載であり一般診療で行うことは困難である.
B診断
・問診,腹部診察のほか,肛門部の診察(視診・触診),必要に応じて検査を行う.
・器質性,薬剤性(Ca拮抗薬,向精神薬など),症候性(全身疾患に伴う)などの続発性便秘を除外診断する.
・器質性便秘は,大腸の形態変化を伴う疾患に起因する.狭窄性(大腸癌や炎症性腸疾患など)あるいは非狭窄性(巨大結腸症,直腸重積,直腸瘤など)疾患があり,診断には内視鏡やCTなど画像検査を行う.
◆治療方針
治療の目標は,患者主訴の低減である.薬物療法を行い,排便回数だけでなく便形状の改善(ブリストル便形状スケール4:平滑で柔らかいソーセージ状の便)を目指す.並行して生活習慣の改善を進める.
下剤で軟便になっても努責を訴える場合は,便排出障害(直腸瘤などの器質性便秘や骨盤底筋協調運動障害などの機能性便秘)を疑い専門医へ紹介する.便排出障害は薬物療法が無効なことが多い.
なお,続発性便秘の場合は,原因に対する治療を優先させる.
A薬物療法
1.塩類下剤(浸透圧性下
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