今日の診療
治療指針

胆膵疾患の内視鏡的治療
endoscopic treatment for pancreatobiliary diseases
松原三郎
(埼玉医科大学総合医療センター准教授・消化器・肝臓内科)

治療のポイント

・胆膵疾患に対する内視鏡治療にはERCP下治療とEUS下治療がある.

・ERCPには急性膵炎,出血,穿孔,EUSには胆汁性腹膜炎,出血などの致死的になりうる偶発症のリスクがあるため,十分に適応を吟味し,習熟した内視鏡医の管理下に行われねばならない.

・困難例では内視鏡治療に固執せず,外科医とも連携を密にし,患者に最善の治療を提供するよう心掛ける.

A胆道疾患

 胆道疾患に対する内視鏡治療には,閉塞性黄疸・胆管炎に対する胆管ドレナージ(,「胆管ドレナージ法」の項参照),胆管結石除去,急性胆嚢炎に対する胆嚢ドレナージなどがある.

1.胆管結石除去

 胆管結石は胆管炎・膵炎の原因になるため,原則全例治療適応である.治療は内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP:endoscopic retrograde cholangiopancreatography)がゴールドスタンダードであり,十二指腸乳頭

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