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◆病態と診断
A病態
・消化管,膵臓,脾臓などの臓器からの静脈血が集まり,門脈となり肝臓の類洞に到達する.そこで肝細胞による代謝を受けたのちに中心静脈,小葉間静脈,肝静脈を経て下大静脈へ流れる.これらの血流のいずれかに障害を受けることにより,門脈の圧が高くなった病態が門脈圧亢進症である.門脈圧が200mmH2O(14.7mmHg)以上の状態を指す.
・門脈亢進症により生じる疾患は食道静脈瘤,胃静脈瘤,異所性静脈瘤,難治性を含む腹水,脾機能亢進(脾腫)による汎血球減少,免疫能異常,門脈大循環シャントの形成による肝性脳症,門脈血流うっ滞による門脈血栓症など多岐にわたる.また近年,門脈圧亢進症により肺動脈性肺高血圧症(PAH:pulmonary arterial hypertension)が引き起こされる疾患を門脈肺高血圧症(PoPH:portopulmonary hypertension)とよび,注目されている.
B診断
・門脈圧亢進症を疑う検査データや症状が得られたら,造影CTを行い,脾腫の程度,側副血行路の有無,門脈血栓症の有無の検査を行う.また,緊急性のある病態である,食道静脈瘤,胃静脈瘤の有無と破裂,出血リスクの評価を行う.腹部エコー検査を行い,門脈血流量の測定や,CTで映らないような門脈血栓の有無などについて評価を行う.
・肝硬変による門脈圧亢進症であるのかそれとも,血流障害によるものであるのかを評価する目的で,2D-エラストグラフィやフィブロスキャンにて肝硬度の測定を行うことも有用である.
・IVR(interventional radiology)技術を用いた方法では,肝静脈楔入圧(HVPG:hepatic venous pressure gradient)を測定することにより門脈圧亢進症を診断することも可能である.
・門脈圧亢進症にしばしば合併する不顕性肝性脳症の
関連リンク
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