今日の診療
治療指針

B型慢性肝炎,肝硬変:抗ウイルス療法
chronic hepatitis B,liver cirrhosis(antiviral therapy)
梅村武司
(信州大学教授・内科学第二)

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GLB型肝炎治療ガイドライン(第4版)(2022)

治療のポイント

・B型肝炎の治療目標は,肝炎の活動性と肝線維化進展の抑制による慢性肝不全の回避ならびに肝細胞癌発生の抑止,およびそれらによる生命予後ならびにQOLの改善である.

・抗ウイルス療法の長期目標はHBs抗原消失であり,短期目標はALT持続正常化(30U/L以下),HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性,HBV-DNA増殖抑制の3項目である.

◆病態と診断

A病態

・B型慢性肝炎はHBs抗原が持続陽性でかつALT値の異常が6か月以上持続している疾患である.

・HBVに乳幼児期に感染した場合は高率にHBe抗原陽性かつHBV-DNA増殖が活発で,ALT値が正常である無症候性キャリアとなる.成人になり,HBe抗原セロコンバージョンが起こると多くの場合肝炎は鎮静化するが,肝炎が持続してHBe抗原陽性の状態が持続すると慢性肝炎,肝硬変へと進展する

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